積立設定の見直しタイミング─年収変化・ライフイベント・相場環境に応じた柔軟な調整法(1/2)

新NISA制度では、つみたて投資枠を活用して毎月一定額を積み立てることで、時間分散による安定した資産形成が可能になります。しかし、積立設定は「一度決めたら終わり」ではなく、ライフステージや経済環境の変化に応じて見直すことが重要です。

本記事では、投資スクール講師としての視点から、積立設定の見直しが必要になるタイミング、具体的な調整方法、そして見直し後の運用戦略について詳しく解説します。

 

🧱 積立設定を見直すべき主なタイミング
1. 年収・収入の変化
昇給・転職・副業収入の増加 → 積立額を増やすチャンス
収入減・退職・育休など → 積立額を一時的に減らす判断も必要

実践例:
(1)昇給後に月5万円→月7万円へ増額
(2)育休中は月3万円に減額し、復職後に元に戻す
→ 積立は「無理なく続ける」ことが最優先。収入に応じた柔軟な調整が鍵です。

 

2. ライフイベントの発生
結婚・出産・住宅購入・教育費の発生など、支出が増えるタイミング
老後資金や相続対策を意識し始めるタイミング

実践例:
(1)子どもの教育費がかかる時期は積立額を抑え、ジュニアNISAや学資保険と併用
(2)住宅ローン完済後に積立額を増やし、老後資金形成を加速
→ ライフイベントは「資金の優先順位」が変わるタイミング。積立設定もそれに合わせて見直すべきです。

 

3. 相場環境の変化
株価の急落や上昇、金利・為替の変動など
インフレ・景気後退などのマクロ環境

実践例:
(1)相場が下落しているときに積立額を増やす(買い増しチャンス)
(2)相場が過熱しているときは積立額を維持し、追加投資は控える
→ 積立は基本的に「相場に左右されない」運用ですが、戦略的な増減は有効です。