新NISAと相続・贈与の視点─資産承継と非課税制度の交差点をどう活かすか(1/2)

今回のテーマは「新NISAと相続・贈与の視点」です。

新NISA制度は「自分のための資産形成」にとどまらず、将来的な「資産承継」や「家族への贈与」といった視点でも注目されています。特に高齢の親世代が新NISAを活用する場合、その資産が将来相続の対象になる可能性があるため、制度の仕組みと税制の関係を理解しておくことが重要です。

本記事では、投資スクール講師としての視点から、新NISAと相続・贈与の関係、注意点、そして実践的な資産承継戦略を解説します。

 

🧱 新NISAと相続・贈与の基本構造
1. 新NISA口座は「個人単位」
(1)新NISAは1人1口座、非課税枠も個人ごとに設定
(2)相続時には口座名義人の死亡により「課税口座」へ移管される
(3)非課税のまま相続されるわけではない

 

2. 相続時の取り扱い
(1)新NISA口座は死亡時点で終了
(2)保有資産は「時価」で相続財産に加算され、相続税の対象に
(3)相続人がそのまま非課税で引き継ぐことはできない
→ 新NISAは「生前に使い切る」ことが前提の制度設計

 

 

📊 贈与との関係と活用法
1. 年間110万円の贈与非課税枠
(1)親から子へ資金を移す場合、年間110万円までは非課税
(2)新NISAの資金として援助する場合も、この枠内なら贈与税なし

 

2. 贈与資金で子ども名義の新NISAを活用
(1)子どもが18歳以上であれば、新NISA口座を開設可能
(2)親が資金援助し、子ども名義で積立を開始
(3)金融教育と資産承継を兼ねた戦略が可能

 

3. 相続時精算課税制度の活用(2024年改正)
(1)2,500万円までの贈与を相続時にまとめて精算
(2)生前贈与を活用しやすくなった(2024年以降は申告不要で適用)
→ 長期的な資産承継を見据えた贈与戦略が取りやすくなった

 

 

🛠️ 実践的な資産承継戦略(70代親・40代子)

→ 親は自身の生活資金を確保しつつ、子ども名義の資産形成を支援