新NISA制度は、売却益だけでなく「配当金」や「分配金」も非課税で受け取れる点が大きな魅力です。これにより、インカムゲイン(定期的な収入)を得ながら資産形成を進める戦略が可能になります。
本記事では、投資スクール講師としての視点から、新NISAにおける配当金戦略について、高配当株や分配型ファンドの選び方、非課税の仕組み、注意点、そして実践的なポートフォリオ構成まで詳しく解説します。
🧱 新NISAにおける配当金の非課税メリット
通常、株式や投資信託の配当金・分配金には約20.315%の税金が課されます(所得税+住民税+復興特別所得税)。しかし、新NISA口座で保有している商品から得られる配当金は、非課税で受け取ることができます。
例:
(1)高配当株から年間10万円の配当 → 通常は約2万円が課税
(2)新NISA口座なら → 全額受け取り可能
この非課税メリットは、インカムゲインを重視する投資家にとって非常に大きな恩恵です。
📊 高配当株の選び方
高配当株とは、株価に対して配当利回りが高い銘柄のことです。安定した収益を持ち、長期的に配当を維持・増配している企業が理想的です。
<選定ポイント>
(1)配当利回り:3%以上が目安
(2)配当性向:50%以下が望ましい(無理な配当を避ける)
(3)業績安定性:売上・利益が安定している企業
(4)財務健全性:自己資本比率が高く、負債が少ない
代表的な高配当株(2025年現在)
→ 通信・商社・医薬品など、景気に左右されにくい業種が狙い目
🛠️ 分配型ファンドの活用法
分配型ファンドは、定期的に分配金を支払う投資信託です。新NISAでは、成長投資枠でのみ購入可能です(つみたて投資枠では対象外)。
<メリット>
(1)定期的な収入が得られる
(2)再投資も可能(ただし枠を消費する)
<デメリット>
(1)分配金が元本から支払われる場合もある(実質的な資産減少)
(2)信託報酬が高めの傾向
(3)長期運用には不向きな商品もある
<活用法>
(1)老後資金として、毎月の生活費に充当
(2)成長投資枠で、分配型ETF(SPYD、HDVなど)を選択
(3)分配金は再投資せず、生活費や予備資金として活用
