🧱 よくある投資初心者のミスとその背景(前回の続き)
4. 信託報酬や手数料を軽視する
「手数料なんて微々たるもの」と思いがちですが、長期運用では信託報酬の差が数十万円〜数百万円の差になることもあります。
例:
(1)信託報酬0.5%のファンドと0.1%のファンドを20年間比較
(2)運用額1,000万円の場合、差額は約80万円以上に
回避法:
(1)信託報酬は年率0.1%以下を目安に選定
(2)eMAXIS Slim、SBI・Vシリーズなどの低コストファンドを活用
(3)運用報告書や目論見書を定期的に確認する
5. 非課税枠の使い方を誤る
新NISAでは、売却しても枠が戻らないため、枠の使い方に慎重さが求められます。初心者は「とりあえず買ってみる」という姿勢で枠を消費してしまうことがあります。
問題点:
(1)枠が消失し、将来の有望な投資機会を逃す
(2)短期的な値動きに惑わされて売却
回避法:
(1)非課税枠は「資産形成の設計図」として使う
(2)つみたて枠は毎月積立で計画的に消化
(3)成長投資枠は「目的のある投資」に限定する
🧠 投資スクール講師からのアドバイス
私が初心者に最も強調しているのは、「投資はマラソンであり、短距離走ではない」ということです。新NISAは、長期的な資産形成を支援する制度であり、短期的な利益を狙う場ではありません。
また、「自分の軸を持つこと」が非常に重要です。情報に振り回されず、自分の目的、リスク許容度、資金状況に応じた投資を行うことで、安定した運用が可能になります。
さらに、初心者こそ「記録をつける」ことをおすすめします。購入銘柄、理由、金額、日付などを記録することで、振り返りができ、投資判断の精度が高まります。
✍️ まとめ:初心者の失敗は「学びの種」
新NISAは初心者にも開かれた制度ですが、制度の理解不足や感情的な判断によって、思わぬ失敗に繋がることがあります。しかし、失敗は「学びの種」であり、そこから成長することができます。
(1)銘柄分散を意識する
(2)長期保有を前提にする
(3)情報源を絞る
(4)コストを重視する
(5)非課税枠を計画的に使う
これらを意識することで、初心者でも安心して新NISAを活用し、着実な資産形成を進めることができます。
次回は、
「投資信託の選び方:信託報酬と純資産残高」について、長期運用におけるコストの影響とファンド評価法を解説します。どうぞお楽しみに。