新NISAと投資信託の選び方─信託報酬・運用実績・分散性を軸にした選定戦略(1/2)

新NISA制度では、つみたて投資枠・成長投資枠の両方で投資信託を活用できます。特に初心者から中級者まで、投資信託は「分散投資」「少額からの積立」「運用の手間が少ない」といったメリットがあり、長期資産形成において中心的な役割を果たします。

しかし、投資信託は種類が非常に多く、選び方を誤ると「信託報酬が高い」「運用成績が不安定」「分散性が低い」などのリスクもあります。本記事では、投資スクール講師としての視点から、新NISAにおける投資信託の選び方、比較ポイント、そして実践的なファンド選定例を詳しく解説します。

 

🧱 投資信託選びの3つの軸
1. 信託報酬(運用コスト)
(1)信託報酬は「保有している間ずっとかかる手数料」
(2)年率0.1%の差が、20年後には数十万円の差になることも
(3)低コストのインデックスファンドが基本

目安:
(1)つみたて投資枠:年率0.1%〜0.2%が理想
(2)成長投資枠:年率0.2%〜0.4%まで許容範囲
→ 長期運用では「信託報酬の低さ」が最重要

 

2. 運用実績(過去のパフォーマンス)
(1)過去3年・5年の騰落率、純資産残高の推移を確認
(2)純資産が増えているファンドは「投資家から支持されている証拠」
(3)運用開始からの年数も安定性の指標になる

チェック項目:
(1)純資産残高:100億円以上が目安
(2)騰落率:市場平均と比較して安定しているか
(3)運用開始年:5年以上の実績があるか
→ 実績が安定しているファンドを選ぶことで、安心して長期保有できる

 

3. 分散性(地域・資産・業種)
(1)地域分散:全世界型、先進国型、米国型など
(2)資産分散:株式中心か、債券・REITも含むか
(3)業種分散:特定業種偏重でないか

代表的な分散型ファンド:
(1)eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
(2)SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
(3)楽天・全世界株式インデックス・ファンド
→ 分散性が高いほど、特定地域・業種のリスクを軽減できる