今回のテーマは「新NISAと為替リスクの考え方」です。
新NISA制度では、米国ETFや海外株式を含む投資信託など、外貨建て資産への投資が可能です。これにより、世界経済の成長を取り込むことができますが、同時に「為替リスク」という重要な要素も伴います。
円安・円高の影響は、資産評価額や配当収入に直接影響するため、長期運用においても無視できません。本記事では、投資スクール講師としての視点から、新NISAにおける為替リスクの基本、対応戦略、そして実践的なポートフォリオ設計を解説します。
🧱 為替リスクとは何か?
為替リスクとは、外貨建て資産を円換算する際に、為替レートの変動によって評価額が上下するリスクのことです。
例:
(1)米国ETFを1ドル=130円で購入 → 円安が進み1ドル=150円になると、円換算の評価額は上昇
(2)逆に円高が進み1ドル=110円になると、評価額は減少
→ 為替変動は「資産価値の増減」に直結する
📊 新NISAで為替リスクが発生する商品
→ 外貨建て資産は「為替リスクを受けるが、成長性も高い」
🛠️ 為替リスクへの対応戦略
1. 為替ヘッジ付きファンドを活用
(1)為替変動の影響を抑える仕組み
(2)安定性は高いが、ヘッジコストがかかる(年率0.2〜0.5%程度)
→ 短期〜中期の資金には有効、長期運用ではコストに注意
2. 為替分散を意識したポートフォリオ設計
(1)米ドル、ユーロ、円など複数通貨に分散
(2)日本株・米国ETF・全世界株式などを組み合わせる
→ 一方向の為替変動に対する耐性が高まる
3. 円高・円安局面での追加投資判断
(1)円安時:外貨建て資産の評価額は上昇 → 利益確定の好機
(2)円高時:外貨建て資産の購入好機 → 将来の円安で評価額上昇
→ 為替のタイミングを意識した「逆張り的投資」も有効
