今回はシリーズの締めくくりにふさわしいテーマ 「iDeCoの未来:制度改正と長期投資の展望」 をまとめました。
制度の“これから”を見据えることで、読者がより戦略的に資産形成を考えられる内容になっています。
iDeCo(個人型確定拠出年金)第25回(1/2)
iDeCoの未来:制度改正と長期投資の展望
──これからの20年を見据えた「老後資産インフラ」の進化
iDeCoは2017年の制度拡大以降、
日本の老後資産形成の中心的な制度として急速に普及してきました。
しかし、iDeCoは“完成された制度”ではありません。
むしろ、これからの20年で大きく進化し、老後資産インフラとしての役割がさらに強まると考えられています。
今回は、制度改正の方向性や長期投資の展望を踏まえ、「iDeCoの未来」 を体系的に整理します。
🧱 1. なぜiDeCoは今後ますます重要になるのか
■ 理由①:公的年金だけでは生活が難しくなる
少子高齢化により、公的年金の“実質的な価値”は徐々に低下。
(1)受給開始年齢の引き上げ
(2)実質的な給付水準の低下
(3)保険料負担の増加
これらは避けられない流れ。
▶ 結論
自助努力による老後資金づくりは必須。
その中心がiDeCoになる。
■ 理由②:長寿化により「資産寿命」が重要に
人生100年時代。
老後30〜40年の生活を支えるには、“長持ちする資産”が必要。
iDeCoは、
(1)長期運用
(2)税制優遇
(3)強制積立
という仕組みで、
資産寿命を最大化する制度 として機能する。
■ 理由③:国の政策が「自助努力」を後押し
政府は明確に「公的年金+自助努力」という方向に舵を切っている。
(1)新NISAの恒久化
(2)iDeCoの加入対象拡大
(3)企業型DCの強化
(4)金融教育の推進
これらはすべて、“自分で資産を作る時代”への移行を示している。
🧭 2. iDeCoの制度改正はどこに向かうのか(展望)
■ ① 掛金上限の引き上げ
現状の掛金上限は
(1)会社員:12,000〜23,000円
(2)自営業:68,000円
しかし、海外の確定拠出年金と比べると低い。
▶ 今後の方向性
(1)会社員の上限引き上げ
(2)企業型DCとの“合算枠”の拡大
(3)自営業の枠拡大の可能性
■ ② 受取開始年齢の柔軟化
現在は60〜75歳だが、今後は 「80歳まで延長」 の議論もある。
● メリット
(1)税最適化の幅が広がる
(2)長寿リスクに対応しやすい
(3)運用期間が延びる
■ ③ 商品ラインナップの改善
iDeCoは金融機関ごとに商品が異なるが、今後は以下の方向に進む可能性が高い。
(1)低コストインデックスの標準化
(2)高コスト商品の淘汰
(3)ESG・テーマ型の拡充
(4)ターゲットイヤーファンドの普及
■ ④ 金融機関変更(移換)の簡素化
現状は手続きが煩雑で時間がかかる。
▶ 今後の方向性
(1)デジタル化による迅速化
(2)売却→買付のタイムラグ短縮
(3)手続きのオンライン完結
■ ⑤ 企業型DCとの連携強化
企業型DCとiDeCoは“別制度”だが、今後は統合的に運用される可能性が高い。
(1)合算枠の拡大
(2)企業型DCのマッチング拠出の柔軟化
(3)企業型DC→iDeCoの移換の簡素化