前回の“制度の基本と活用法”に続き、今回は「どう受け取るか」「税金をどう最適化するか」「60歳以降の戦略」を深掘りしています。
iDeCo(個人型確定拠出年金)第2回(1/2)
60歳からの受取戦略と出口設計
──税制メリットを最大化し、老後資金を賢く使う方法
iDeCoは「積み立てる時」「運用している時」「受け取る時」のすべてで税制優遇がある制度です。
前回は積立と運用のメリットを整理しましたが、今回は最も見落とされがちな “受取戦略” に焦点を当てます。
老後資金は「いくら貯めるか」だけでなく、「どう受け取るか」で手取り額が大きく変わります。
2026年に向けて、iDeCoの出口設計を最適化するためのポイントを体系的に整理します。
🧱 iDeCoの受取方法は3種類
iDeCoの受取方法は以下の3つ。
1. 一時金(退職金として受け取る)
2. 年金(分割して受け取る)
3. 一時金+年金の併用
どれを選ぶかで税金が大きく変わるため、出口戦略は極めて重要です。
📊 受取時の税制優遇(非常に強力)
1. 一時金:退職所得控除
退職金と同じ扱いになり、控除額が大きい。
退職所得控除額の目安
勤続20年まで:40万円 × 勤続年数
20年超:800万円+70万円 ×(勤続年数−20年)
たとえば勤続30年なら
→ 800万円+70万円×10年=1,500万円まで非課税
iDeCoの一時金はこの枠に合算されるため、退職金との調整が重要。
2. 年金:公的年金等控除
年金として受け取る場合は、公的年金等控除が適用され、こちらも税負担が軽い。
65歳以上:最低110万円の控除
65歳未満:最低60万円の控除
年金受取は「毎年の課税所得を抑えながら受け取れる」のがメリット。
🧭 一時金と年金、どちらが有利か?
結論:退職金の額・他の年金額・受取時期によって変わる。
一時金が有利なケース
(1)退職金が少ない
(2)勤続年数が長く、退職所得控除が大きい
(3)まとまった資金が必要(住宅ローン完済など)
年金が有利なケース
(1)退職金が多く、控除枠を使い切ってしまう
(2)公的年金が少ない
(3)税負担を分散したい
併用が最適なケース
(1)退職金が控除枠ギリギリ
(2)iDeCo残高が大きい
(3)税負担を平準化したい
→ 出口戦略は“税金の最適化”が中心テーマ。