今回は実務的なニーズが非常に高いテーマ 「iDeCoの金融機関変更(移換)とスイッチングの実務」 を丁寧にまとめました。
制度を“使いこなす”段階に入った方にとって、必ず知っておきたい内容です。
iDeCo(個人型確定拠出年金)第10回(1/2)
金融機関変更(移換)とスイッチングの実務
──長期運用を最適化するための“メンテナンス技術”
iDeCoは一度始めたら終わりではなく、長期運用の途中で「金融機関の変更」や「商品入れ替え(スイッチング)」が必要になる場合があります。
しかし、これらの手続きは一般の証券口座より複雑で、「どうやるのか分からない」「手続きが面倒そう」と感じる人も多いのが実情です。
今回は、iDeCoの運用をより良くするための“実務編”として、金融機関変更(移換)とスイッチングの方法を体系的に整理します。
🧱 まず押さえるべき前提:iDeCoは金融機関ごとに商品が違う
iDeCoの最大の特徴は、金融機関ごとに商品ラインナップが全く異なる という点。
(1)低コストインデックスが豊富な金融機関
(2)元本確保型ばかりの金融機関
(3)高コストアクティブが中心の金融機関
この差は、20〜30年の長期運用では“数百万円単位”の差になります。
そのため、途中で金融機関を変更することは十分に合理的な選択肢。
【1】金融機関変更(移換)の実務
📌 金融機関変更が必要になる典型ケース
1. 商品ラインナップが弱い
→ 低コストインデックスがない
2. 手数料が高い
→ 口座管理手数料が毎月かかる
3. 企業型DCからiDeCoへ移換する必要がある
4. 転職・退職で制度が変わる
5. より良い運用環境に移りたい
iDeCoは“長期戦”なので、途中で環境を整えることはむしろ必須。
📌 金融機関変更の流れ(実務)
Step1:新しい金融機関を選ぶ
ポイントは以下の3つ。
(1)口座管理手数料が無料
(2)低コストインデックスが豊富
(3)商品数が20〜35本程度に厳選
Step2:新しい金融機関で「移換手続き」を申し込む
新しい金融機関が、国民年金基金連合会との手続きを代行してくれる。
Step3:現在の金融機関から資産が“現金化”される
ここが重要。
iDeCoの移換では、資産は一度すべて現金化される。
投資信託 → 売却
元本確保型 → 解約
現金化 → 新しい金融機関へ移動
※この間、数週間〜1ヶ月ほど運用が止まる。
Step4:新しい金融機関で商品を買い直す
移換完了後、改めて商品を選び直す必要がある。
📌 金融機関変更の注意点
① 移換中は運用が止まる
→ 市場が大きく動く時期は注意。
② 売却→買付のタイミングがズレる
→ 完全に同じ価格で買い直すことはできない。
③ 手続きに1〜2ヶ月かかる
→ 余裕を持って行う。
④ 掛金の引き落としが一時停止する場合がある
→ その後自動で再開するので心配不要。