新NISAは「個人単位」の制度ですが、家族全体で戦略的に活用することで、資産形成の効率を大きく高めることができます。特に、夫婦や子ども、親世代との連携によって、非課税枠を最大限に活かしながら、教育資金や老後資金といったライフイベントに備えることが可能です。
本記事では、投資スクール講師としての視点から、家族で新NISAを活用する方法について、名義の使い分け、資金の分担、ライフステージ別の戦略を詳しく解説します。
🧱 新NISAの基本構造(復習)
年間非課税枠:360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)
生涯非課税枠:1,800万円(うち成長投資枠は最大1,200万円)
対象者:18歳以上の日本居住者
売却しても枠は戻らない(再利用不可)
この枠は「個人単位」で管理されますが、家族それぞれが口座を持つことで、非課税枠を合算的に活用できます。
👨👩👧👦 家族での活用モデル
1. 夫婦での活用
夫婦それぞれが新NISA口座を開設することで、年間最大720万円、生涯で最大3,600万円の非課税枠が確保できます。
役割分担の例
夫:成長投資枠中心(ETF・個別株)
妻:つみたて投資枠中心(インデックスファンド)
→ 夫がリスクを取り、妻が安定運用を担うことで、ポートフォリオ全体のバランスが取れる
実践例
夫:SBI・V・S&P500に一括投資+FANG+ETF
妻:eMAXIS Slim オールカントリーを毎月積立
2. 子ども名義での活用
新NISAは18歳以上が対象ですが、大学生や社会人になった子どもに口座開設を促すことで、教育資金や将来の資産形成に活用できます。
(1)親からの資金援助
毎月3万円を子ども名義で積立
20年後には約1,000万円以上の資産形成も可能(年利5%想定)
(2)教育資金との連携
奨学金返済や留学費用の準備
社会人になってからの住宅資金や結婚資金にも活用可能
3. 親世代との連携
60代以上の親が新NISAを活用することで、老後資金の形成や相続対策にもつながります。
(1)高配当株・REITの活用
毎月の分配金を生活費に充当
資産を維持しながらインカムゲインを得る
(2)相続対策
非課税で資産を増やし、将来的に子どもへ引き継ぐ
贈与税の非課税枠(年間110万円)を活用して資金移動