年金を月額20万円以上もらえる人はいる!?(2)

みんなの年金から差し引かれる「5つのお金」とは?
年金から差し引かれる「税金や保険料など」を確認しましょう。

(1)所得税
課税対象となる年金(公的年金等控除後の金額)に応じて課税されます。収入が年金のみであっても、一定額を超えると源泉徴収の対象です。

(2)住民税
前年の所得に基づいて市区町村が決定する税金で、一定の条件を満たす年金受給者が徴収対象です。

(3)国民健康保険料
職場の健康保険を喪失し国民健康保険に加入している場合、保険料が年金から引き落とされます。

(4)後期高齢者医療保険料
75歳以上の方。所得や自治体によって保険料が異なり、原則として年金から特別徴収されます。

(5)介護保険料
65歳以上で要介護認定を受けていない方でも、所得に応じた介護保険料が年金から天引きされます(第1号被保険者)。

自分の年金額を把握し、
早期に不足分への備えることを検討しましょう。

前述した通り、
厚生年金受給者のうち、
月額20万円以上を受け取っている人は全体の約16%にとどまり、多くはそれ以下の水準です。

年金額は現役時代の働き方や収入によって大きく差があり、
「誰でも月額20万円もらえる」というものではありません。
さらに、実際には「税金+社会保険料など」を差し引かれた額が振り込まれる額です。

そのため、生活費として使える金額は、
国が公表している支給額よりも約2割少なくなる計算となります。

老後の生活を安定させるには、
まず自分の年金額を正確に確認し、
不足分をどのように補うかを検討しておくことが大切です。

参考資料
・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」