60〜75歳という“15年間の自由度”をどう活かすかは、老後資金の成否を大きく左右します。
iDeCo(個人型確定拠出年金)第6回(1/2)
受取時期をずらすメリットと老後資金の最適化
──60〜75歳の“15年間”をどう使うかで資産寿命が変わる
iDeCoは60歳から受け取り可能ですが、実は 75歳まで受取開始を遅らせることができる という特徴があります。
この「受取時期の自由度」は、老後資金の最適化において非常に大きな意味を持ちます。
多くの人が「60歳になったら受け取るもの」と思い込んでいますが、受取時期を戦略的に調整することで、税金・運用効率・資産寿命に大きな差が生まれます。
今回は、iDeCoの受取時期をずらすメリットを体系的に整理し、老後資金を最大化するための実践戦略を解説します。
🧱 iDeCoの受取開始は60〜75歳の間で自由に選べる
まず押さえておきたいポイントは以下の3つ。
(1)60歳になったら必ず受け取る必要はない
(2)受取開始は 60〜75歳の間で自由に選択可能
(3)受取方法(年金・一時金)も組み合わせられる
つまり、
「いつ受け取るか」も投資戦略の一部
ということです。
📊 受取時期をずらす3つのメリット
① 運用期間が延び、資産がさらに増える
受取開始を遅らせる=運用期間が延びるということ。
例:
60歳で受け取る → 運用終了
70歳まで繰り下げ → 追加10年運用
75歳まで繰り下げ → 追加15年運用
長期運用では、
複利効果が最も大きな武器。
株式比率を下げつつ、
(1)債券
(2)バランスファンド
(3)元本確保型
などで安定運用を続けることで、資産寿命を大きく延ばせます。
② 税金の最適化ができる(非常に重要)
iDeCoの受取時には
一時金 → 退職所得控除
年金 → 公的年金等控除
が適用されます。
受取時期をずらすことで、
退職金や公的年金との重なりを避け、税負担を軽減できる。
例:退職金が多い人
(1)60歳で退職金を受け取る
(2)同じ年にiDeCo一時金を受け取ると控除枠を使い切る
→ 税金が増える
→ iDeCoの受取を65〜70歳にずらすことで、
退職所得控除を別枠で使える
=税負担が大幅に減る。
例:公的年金が多い人
(1)65歳から公的年金が増える
(2)iDeCo年金を同時に受け取ると課税所得が増える
→ iDeCoの受取を70歳以降にずらすことで、
公的年金等控除の範囲内に収めやすくなる。
③ 老後資金の取り崩し計画が立てやすくなる
60歳以降は、
(1)公的年金
(2)企業年金
(3)退職金
(4)iDeCo
(5)新NISA
など、複数の資産を組み合わせて生活します。
iDeCoの受取時期を調整することで、資産の取り崩し順序を最適化できる。
取り崩しの基本順序(推奨)
1. 生活費 → 公的年金
2. 不足分 → 新NISA(非課税で柔軟)
3. iDeCo → 税制優遇を最大化するタイミングで受取
4. その他の資産 → 最後に取り崩す
iDeCoを“後ろにずらす”ことで、
他の資産を効率的に使える。