iDeCo(個人型確定拠出年金)第31回(1/2)

今回は上級者向けのテーマ 「iDeCo × 新NISA × 企業型DCの高度ケーススタディ(上級編)」 をお届けします。

第26回で扱ったケーススタディの“さらに深い応用版”で、読者が「自分の状況にピタリと当てはまる」ようなリアルな複合ケースを扱います。

iDeCo(個人型確定拠出年金)第31回(1/2)
iDeCo × 新NISA × 企業型DCの高度ケーススタディ(上級編)
──複雑なライフプランを「制度の組み合わせ」で最適化する

iDeCo・新NISA・企業型DCは、それぞれ単体でも強力な制度ですが、複雑なライフプランを持つ人ほど“組み合わせの最適化”が重要 になります。

今回は、実務で特に相談が多い
「複数の制度 × 家族構成 × ライフイベント × 税金」が絡み合う高度ケースを扱います。

 

🧱 ケース①:40代後半・単身赴任・企業型DCあり・住宅ローンあり
■ プロフィール
年齢:48歳
年収:780万円
企業型DC:マッチング拠出あり
新NISA:毎月5万円積立
iDeCo:未加入
単身赴任で生活費が高い
住宅ローン残高:2,500万円

■ 課題
(1)老後資金の準備が遅れ気味
(2)単身赴任で支出が多く、積立余力が少ない
(3)住宅ローン控除があと5年残っている
(4)企業型DCの商品ラインナップが弱い

■ 最適戦略
1. iDeCoを月1万円で開始
→ 所得控除で節税
→ 住宅ローン控除と“二重節税”が可能

2. 企業型DCは最低限のインデックスに変更
→ 高コスト商品を避ける

3. 新NISAは現状維持(流動性確保)
→ 単身赴任の不確実性に備える

4. 50代後半からiDeCoを増額(2万円→2.3万円)
→ 住宅ローン控除終了後に節税効果が最大化

5. 出口戦略は“年金受取”が有利
→ 公的年金等控除に収まりやすい

■ 統合ポートフォリオ
株式:70%
債券:30%

■ 期待できる効果
(1)単身赴任でも無理なく老後資金を確保
(2)住宅ローン控除とiDeCoの節税を最大化
(3)企業型DCの弱点をiDeCoで補完

 

 

🧱 ケース②:50代前半・共働き・子ども大学進学・企業型DCなし
■ プロフィール
夫:52歳(年収900万円)
妻:49歳(年収450万円)
子ども:大学1年生
企業型DCなし
新NISA:夫婦ともに積立中
iDeCo:夫のみ加入(23,000円)

■ 課題
(1)教育費がピーク
(2)老後資金の準備が遅れ気味
(3)夫婦で資産形成がバラバラ
(4)受取時の税負担が大きくなりそう

■ 最適戦略
1. 妻もiDeCoを開始(月1万円)
→ 運用益非課税+老後資金の分散

2. 夫婦で出口戦略を分散
→ 夫:年金受取
→ 妻:一時金受取

3. 新NISAは教育費の取り崩しに活用
→ 流動性を確保

4. 50代後半から夫婦でリスク調整
→ 株式比率を70%→50%へ

5. 60歳以降は“夫婦の資産寿命”を最優先
→ 取り崩し順序を最適化
→ 公的年金 → 新NISA → iDeCo

■ 統合ポートフォリオ
株式:55〜60%
債券:40〜45%

■ 期待できる効果
(1)教育費と老後資金の両立
(2)夫婦で控除枠を最大化
(3)老後の税負担を最小化