新NISAの「つみたて投資枠」は、年間最大120万円までの投資が非課税となる制度です。
金融庁が認定した長期・分散投資に適した投資信託のみが対象であり、初心者から中級者まで幅広く活用できる枠組みとなっています。
本記事では、投資スクール講師としての視点から、つみたて投資枠の活用法について、ファンド選定のポイント、積立設定のコツ、そして実践的な運用戦略を解説します。
🧱 つみたて投資枠の基本構造
つみたて投資枠は、新NISAの1階部分にあたる制度で、以下のような特徴があります。
年間投資上限:120万円(月10万円まで)
対象商品:金融庁が認定した投資信託(インデックス型中心)
非課税期間:無期限(恒久化)
投資方法:積立(毎月・毎日・毎週など)
この枠は、長期的な資産形成を目的として設計されており、短期売買や高リスク商品には向いていません。
📊 ファンド選定のポイント
つみたて投資枠で選べるファンドは、金融庁が厳選した「長期・分散・低コスト」の条件を満たすものに限られています。具体的には以下のようなシリーズが人気です。
1. eMAXIS Slimシリーズ(三菱UFJアセットマネジメント)
特徴:業界最安水準の信託報酬、豊富なラインナップ
代表ファンド:
eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
このシリーズは、信託報酬の引き下げ競争を牽引しており、長期投資においてコスト面で非常に有利です。
2. SBI・Vシリーズ(SBIアセットマネジメント)
特徴:バンガード社のETFをベースにしたインデックスファンド
代表ファンド:
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド
米国市場に強みを持ち、信託報酬も低く、安定した運用実績があります。
3. 楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天証券)
特徴:VTI(米国全体)に連動、米国株式に広く分散
信託報酬:0.162%程度(2025年現在)
米国市場の成長性を信じる投資家にとって、魅力的な選択肢です。
🛠️ 積立設定のコツ
つみたて投資枠を最大限に活用するためには、積立設定の工夫が重要です。
1. 毎月定額積立のすすめ
月10万円までの枠を活用し、毎月一定額を積み立てることで、時間分散効果が得られます。
市場の上下に左右されず、平均購入単価を平準化できます。
2. 積立日を分散する
毎月1回ではなく、毎週や毎日積立にすることで、より細かく時間分散が可能。
特にボラティリティの高い相場では有効です。
3. 自動積立の活用
証券会社の自動積立機能を使えば、手間なく継続できます。
楽天証券、SBI証券、マネックス証券などが対応。