2024年にスタートした新NISA制度は、個人投資家にとって非常に魅力的な制度です。非課税枠の拡充、制度の恒久化、投資対象の幅広さなど、資産形成を後押しする要素が詰まっています。しかし、制度の恩恵を最大限に受けるためには、メリットだけでなく注意点も正しく理解しておく必要があります。
本記事では、投資スクール講師としての視点から、新NISAのメリットと注意点を具体的に解説し、制度を「味方」にするための考え方をお伝えします。
✅ 新NISAの主なメリット
1. 非課税枠の拡充
新NISAでは、年間最大360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)、生涯で最大1,800万円までの投資が非課税となります。これは旧制度と比べて大幅な拡充です。
旧つみたてNISA:年間40万円、最大800万円
旧一般NISA:年間120万円、最大600万円
この拡充により、より多くの資産を非課税で運用できるようになり、複利の効果を最大限に活かすことが可能になります。
2. 制度の恒久化
旧NISAは期限付き制度でしたが、新NISAは恒久化されました。これにより、長期的な資産形成が可能となり、出口戦略に悩む必要がなくなります。
旧制度:2023年終了
新制度:恒久化(期限なし)
長期投資においては、制度の安定性が非常に重要です。恒久化されたことで、安心して積立を継続できます。
3. 投資対象の拡充
成長投資枠では、個別株、ETF、REIT、一定の投資信託など、幅広い商品が対象となります。これにより、投資家の戦略に応じた柔軟な運用が可能です。
つみたて投資枠:金融庁が認定した長期・分散投資向けの投資信託
成長投資枠:上場株式、ETF、REIT、一定の投資信託
例えば、S&P500連動ETFやFANG+インデックスなど、成長性の高い商品を非課税で運用できるのは大きなメリットです。
4. 家族での活用がしやすい
新NISAは1人あたり最大1,800万円の非課税枠があります。夫婦や子ども名義で口座を開設すれば、家族全体での資産形成が可能です。
夫婦で活用:最大3,600万円
子ども名義:教育資金や将来の資産形成に活用
家族単位での戦略設計がしやすくなり、世代を超えた資産形成が可能になります。